ウポポイの期間限定プログラム『鹿笛づくり』に参加してきました。
鹿の鳴き声に似た音が出る鹿笛は、狩猟にも使われていた道具です。
白老には鹿がうじゃうじゃいて、よく目にする身近な野生動物。
アイヌの生活に鹿がどれほどの役割を果たしていたのかも知ることができて、興味津々でした。
この記事では、期間限定プログラムの検索方法や予約申込方法、料金やその内容もお伝えします。
●これからウポポイを訪れる人
●お手軽にアイヌ文化に触れる体験をしたい人
●期間限定イベントの申込方法を知りたい人
●期間限定イベントの雰囲気を知りたい人
ウポポイ『期間限定イベント』について
ウポポイの期間限定プログラムは、いつ開催されるのかわかりません。
これまで行われたウポポイの期間限定プログラムは下記の通りです。
2020年11月 (全3回) |
アハの入れ物を作ろう! |
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2020年12月~ 2021年3月 (全4回) |
鹿笛づくり |
期間限定ベントのスケジュール・申込方法
イベントの予定、その内容やスケジュール・申込方法などは、公式HPの『 ウポポイ トピックス 』に掲載されますので、ご参照くださいね。
ウポポイ『期間限定イベント』申込から会場まで
【事前申込み】
今回の期間限定イベント『鹿笛づくり』は、メールによる事前申込が必要でした。
代表者1名が申し込むだけでOK!今回はNちゃんとNちゃんママが体験、そしてナビが付き添いという内訳で申し込みました。
申込みが受付けられると、予約完了メールが届きます。あとは当日を待つばかりです。
【 ウポポイへのアクセス / access 】
ウポポイはここですよ~。
【 期間限定イベント会場 】
今回の会場は、工房で行われました。ゲートから入場して、博物館とポロト湖の間の道をまっすぐ進み右側にありますよ。
『鹿笛づくり』スタート!
【 受付 / Reception 】
工房に入ると、右手に受付があるので、名前を伝えましょう。そして、受付の右隣にある券売機で体験料金を支払います。あっ、Nちゃん、ダブルウインク笑
【 会場 】
時間になると、体験するお部屋に案内されます。ここで、チケットを担当の方に渡しますよ。
【鹿笛セット】
こちらが、準備されていたセットです。
鹿笛の本体になる部分や切出し刀などなどが並んでいます。
時間になり、担当者の自己紹介が終わると、体験開始! Nちゃん、マイ・マタンプシ(※)をつけて、やる気満々です!
※マタンプシ:アイヌが着用した鉢巻。アイヌ文様刺繍が施されたものが多い。
スライドショーで、鹿にまつわるアイヌ語の紹介がありました。鹿はアイヌ語で『yuk(ユク)』といいます。
【呼 称】 | 【意味など】 |
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poyyuk ポイユク |
pon(小さい) yuk(鹿) シカの子 |
pinneraw ピンネラウ |
pinne(雄の) re-aw(3つ・又) 若い雄鹿 |
apka アプカ |
成体の雄鹿 |
si(y) apka シアプカ |
(siは「大なる」の意) 老大なる雄鹿 ooina) |
momampe モマンペ |
成体の雌鹿 |
日本語ではせいぜい、『鹿』『子鹿』くらいですから、生活の中にある鹿の役割が大きかったことがわかりますよね。
【体の部位】 | 【利用法の一例】 |
---|---|
肉 | 食用、焼く、煮る 干して保存食 |
毛皮 | 衣服や靴、交易品 |
骨 | 矢の中柄(なかえ) |
腱(けん) | 糸・紐(ひも) |
角 | 小刀の鞘さや・根付(ねつけ) 植物の採集道具 |
膀胱(ぼうこう) | 水筒や油の保存容器 |
鹿は、こんな風に使われていたと紹介されていました。ゴールデンカムイを読破しているNちゃんも、うなづきながら聞いていましたよ。
ここでは紹介されていませんでしたが、ナビは、ウポポイの冬イベントで、鹿の毛皮でそり滑りしたことを思い出しました。
ウパシチャラセ(雪すべり)
鹿の皮で雪すべり、してみない?
これ、むちゃくちゃ滑ります‼️
体重のある大人の方がおもしろい✨
今日はとても暖かいし、白老は雪が少ないので、今日までかな〜?#ウポポイ #白老https://t.co/Q6kY9uGY3H pic.twitter.com/uiSvbv5Syo
— しらおいナビ (@shiraoinavi) February 27, 2021
これ、すっごく滑るんですよ。大人の方が体重があるのでさらにスピードが出るんです! むちゃくちゃ楽しい!
と同時に、自然の中で、命に包まれて遊ぶんだもの、いろんなものが育まれるだろうな~と感じた体験でした。
…と、話はそれましたが、この後も、鹿狩りの方法についても説明がありました。
そしてこの鹿笛が、鹿狩りの道具として使われていたんですね~。
様々な鹿笛の種類も紹介されて、準備されている道具の説明も受けて、いざ、スタートです!
【鹿笛づくり スタート!】
実際にスタートする前に、切出し刀の使い方や支える方の手を置いてはいけない位置などの注意も図解とともに説明がありました。とても分かりやすいです。
鹿笛の本体になる木は、やわらかなカツラの木。本体の中央に三角に掘り進めていきます。使うのは切り出し刀です。
彫り始めて、皆さん、真剣! シーーーーーーーンとしています。
Nちゃんママは、何か教えてもらっているのかな?
あと8分くらいでーす。自分でやらなくてもいいよ~。時間がないよ~という方、声をかけてください、などと優しいお言葉を受け、Nちゃんもヘルプしていました。
サポートがばっちりで、ヘルプしやすいのは、ありがたいですね!
そして、三角に彫った面には、エイの皮を貼るのですが、貼る前に、木工用ボンドを本体に塗りますよ~。
『ピリカ』って、こんな風に使えるんだ~。こうやってアイヌ語使うと楽しいですね!
このエイは、白老港で獲れたものだそうです。皮を水に濡らしてから、貼っていきますよ。
エイの皮の端っこのあたりに、糸でくくりつけます。この糸は、鹿の腱を模した刺入糸を使っています。
Nちゃんママ、できました。糸を切ってできあがりです。
ガールスカウトで鍛えられてるNちゃんも、ばっちりできました!←画像撮り忘れ汗
ピリカです!
鹿笛を吹いてみよう!
【鹿笛の吹き方】
エイの皮を濡らし、指の押さえ方で音の出し方を変化させます。
【鹿の声】
子鹿は少し頼りない か細い声。雄鹿は野太い ウェーみたいな声。
かん高い短い声は、緊急の時。などなど説明を受けました。
しかし、これ、鳴らすのが少し難しいんです…。スタッフの方にお手本を見せてもらいました。
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さっすが、ムカラさん! ポロト湖の湖面を渡る鹿の声! ピリカです!
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ハムアキさんもさすが。ウポポイに響き渡ってますよ~。ピリカです!
しかし、鹿笛を吹くには、ちょっと注意が必要です。
山などの鹿の生息エリアで鹿笛を吹くと、動物たちの混乱を招いたり、雄鹿が本当に寄ってきちゃうから、時期によっては非常に危ないということでした。
そんなお話を聞いたので、この鹿笛は、ウポポイに持ち込んで吹くことにします! ウポポイグッズが増えて、ご満悦のNちゃんでした。
ウポポイ『期間限定イベント』体験してみよう!
ウポポイの期間限定イベント『鹿笛づくり』は、アイヌの生活の中に占めていた鹿の役割も知ることができて、非常に興味深く、うなずきまくりの楽しいイベントでした。
正直、鹿笛を鳴らすのは少し難しい…けれど、狩りの道具である鹿笛を持ってるっていうだけでも気分上がります!
そんなレアなグッズを作れちゃう期間限定プログラム。今後の内容にも期待します!