日本古来の伝統的な鉄を作り出すまでの過程を『たたら製鉄』といいます。
もののけ姫の中に登場した『たたら場』は、まさしくこの鉄を作っていた場所なんですね。
残念ながら現在、この製鉄技術はイベントや体験等でしか経験することができないものになってしまいました。
しかし、今回、なんと白老町で、たたら製鉄実演が行われるんです。
このイベント内容を紹介し、さらに白老町を楽しめるようにご案内いたします。
もくじ/Contents
『たたら製鉄実演』の基本情報

日 程 | 10月19日(土) / Oct 19th |
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時 間 | 8:00~15:00頃 |
会 場 | 仙台藩白老元陣屋資料館前広場 |
参加料 | 無料 |
白老町内の通行止めと工事のお知らせ

白老町内では工事個所がいくつかあります。
特に画像のコープとサンキの間の踏切は、2020年3月まで通行止めになっています。
この影響で、白老エリアにある二つの踏切は、時間帯や通行量によっては渋滞することがあります。
間違いなくスムーズに会場まで来るには、国道36号線の白老大橋交差点から白老インター方面へ向かうのが一番!
一つ目の交差点を右折し、次のセイコマートの交差点で左折すると、仙台藩白老元陣屋資料館の案内板が見えてきます。
『たたら製鉄』って何?
『たたら製鉄』とは、日本古来から伝わる鉄を作り出す過程のこと。
たたらと呼ばれる「炉」に原料の「砂鉄」と燃料の「木炭」を交互に装入し、風を送り炉内を高温にして砂鉄から鉄を絞り出す(生成して取り出す)日本古来の製鉄技術です。
引用:たたら製鉄実演 リーフレットより
この伝統的な日本の製鉄技術も、明治に入り、洋式高炉が急速に発展したことから、大正10年にたたらの火が消えました。
現在では『たたら製鉄』に触れられる機会は、イベントや体験会等に限られています。
今回の『たたら製鉄』のこだわり
【刀剣展】
今回のたたら製鉄は、仙台藩白老元陣屋資料館特別展『刀剣展』の協賛事業。
室蘭登別たたらの会が主催します。
特にアイヌの人々は、和人との交易からこの和鉄で作られた刀剣を入手していました。
このような経緯も含めて、白老での刀剣展に合わせて、たたら製鉄実演という貴重な機会になりました。
【地元白老の原料を使用】
原料は虎杖浜アヨロ海岸の砂鉄、燃料は白老町の大西林業の木炭を使用します。
砂鉄の選別作業を行っている様子はこちらです。
正直、会場でぱっとこの砂鉄が出てきても、この苦労は見えません。
便利な時代を生きる私たちに、何かを教えてくれるのではないでしょうか。
『たたら製鉄』炉が完成しました!
10月17日、このたたら製鉄実演に向けて、炉が作られました。

炉のレンガ積みの前に、2礼2拍して、ご祈祷します。

レンガを並べて…

どんどん積み上げていきます。

完成しました! さぁ、この炉で白老産の鉄を作りますよ!
『たたら製鉄』実演スケジュール
【8:00~】
柏手を打って、火入れの儀式を行います。
これ以後、10分毎に木炭と砂鉄を炉に入れていき、風を送ります。
この作業をご来場の方にも体験していただけます。
この作業を延々と繰り返していきます。
【14:30頃】
『火伏(ひぶせ)の儀式』を行い、炉を壊します。鉄のかたまりである鉧(けら)を水の入ったバケツに入れて、水が燃える様子を見守りましょう。鉄が冷えたら、鉄の重さを測って、終了となります。
会場内で他にも楽しめるコト
【しめ縄づくり】
たたら会員の協力の元、しめ縄づくりを体験できます。稲わらをひねって形にしていき、もちろん作ったものは持ち帰ることができますよ。
自作のしめ縄飾りで、令和初めての新年を迎えませんか?
【刀剣展】
仙台藩白老元陣屋資料館では「第9回刀剣展~日本刀の魅力、短刀の輝き」という特別展が開催されています。
刀剣展の期間は、10/12~11/4まで(10/15,10/28は休館日)
江戸期以降の短刀約30振りが展示されます。
今回のたたら製鉄は、この刀剣展の関連事業になりますので、ぜひ足を運んでみてください。
開館時間は、9:30~16:30になります。
白老町民は入館料無料、町外からお越しの方は、大人300円・小中学生150円です。
JAF会員証があれば団体料金(大人250円・小中学生120円)になりますので、ぜひ提示してくださいね。
仙台藩白老元陣屋資料館では、史跡の絵図面や古文書・武具などの資料により、江戸時代末期の蝦夷地の歴史を伝えています。

館内では、このような写真も撮れますので、ぜひ合わせてお楽しみください。
『たたら製鉄』会場内での快適な過ごし方
【会場内】
木炭と砂鉄を炉に入れ、風を送るという作業をぜひ体験してみてください。
また会場内ではしめ縄づくりも行っていますので、新年用の飾りも作ってみましょう。
会場となっている仙台藩白老元陣屋資料館での、刀剣展へも行ってみましょう。
【持参すると便利なもの】
製鉄の様子をのんびり見るためには、アウトドア用の椅子があると便利です。
また仙台藩白老元陣屋資料館周辺には、歩いて行ける場所にはお店等はありませんので、お弁当を持参するのもよいかもしれません。
白老町も楽しもう!
お弁当も良いけれど、朝の火入れの儀式に間に合うように来場するのであれば、早い時間に会場に着いてしまうと思います。
お弁当もいいけれど、白老町は、美味しいものや温泉・お土産も充実していますよ。
たたら製鉄の体験をして、しめ縄を作り終えたら、14:30頃の火伏の儀式まで、ちょっとお出かけしませんか?
隙間時間にサクッと白老を楽しめるものをご紹介いたします。
【朝食】
朝早くに家を出てきて、まだ朝食を食べていないという方は、火入れの儀式後に朝食に繰り出してはいかがでしょうか?
こちらの記事には、11時までに朝食が食べられるお店を掲載しています。
【白老バーガー&ベーグル】

白老のご当地グルメと言えば、白老バーガー&ベーグル。
どちらの店舗も、お持ち帰りも可能です。
白老バーガー&ベーグルまとめ【一覧】
【日帰り温泉】

白老町は、温泉を存分に楽しめる町。なんと、5種類の泉質が楽しめるんです。
隙間時間にサクッと日帰り温泉はいかがですか?
【ベーカリー】

会場からわずか1.6Kmの場所に、人気のパン屋さん『ブーランジェリーニシオ』があります。
土日は10:00の開店前に行列ができることが多い人気のベーカリーですが、余裕で開店前に着けそうですよね。
お天気が良ければ、店内でコーヒーを購入して、焼きたてのパンと一緒に外で食べることもできますよ。
コーヒーが割引になるクーポンも付いていますので、ぜひご参照ください。
【お土産】

白老町の有名なお土産はたくさんあるけれど、こんなレアなお土産はいかがですか?
今の所、まだ白老町内でしか買えないものを集めてみました。
白老で『たたら製鉄』貴重な体験しよう!
既に、鉄があって当たり前の生活しか知らない時代を生きている私たち。
しかし現在では、洋式高炉で作られた鉄が一般的であり、古くからの伝統技法によりつくられる和鉄は、なかなか見ることができなくなりました。
この『たたら製鉄』で和鉄を作る作業を体験し、さらに刀剣展に足を運んでみませんか?
そして、サクッと空き時間に白老も楽しんでいただけると、とても嬉しいです。
当日、会場でお会いしましょう!