白老って、実はものすごい滝がうじゃうじゃある『滝の宝庫』といわれています。
今回は、ポンベツ川の支流にある『石狩白老滝』を目指しました。いやぁ、ここは秘境も秘境。聞きしに勝る絶景がありました。
が、正直、初心者のナビには、相当きつかった!ただ滝を見ただけじゃない。大切なものが何かわかったような気がした遡行になりました。
そんなすごい滝に連れて行ってくれ、さらに画像提供していただいたのは、室蘭市在住のカメラマンの森さん( @muroranyakei )本当に本当に(×100)感謝
誰もが行ける場所とはいいがたい絶景を、筋肉痛3日目の腕を酷使してお届けします!
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『石狩白老滝』の基本情報
※画像提供:森さん
高 さ | 落差約70m(二段) |
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滝 幅 | 10m |
『石狩白老滝』までの遡行は苦行!
ポンベツ川にそそぐ支流までは、森の中を歩いて行きました。
ヘビイチゴを味見したり、この時はまだ余裕。
動物の足跡や熊や鹿の糞も発見!
木に鹿が角をこすりつけたであろう傷があったり。森の中の生命を感じました。
今回ご一緒したのは、このメンバー!ナビを含めて、5人です。このポンベツ川にそそぐ支流を上がっていきます。
小さな滑滝を越えるとワクワクするんですよね~。楽しい!けど、この川には、滑滝は一か所、ここだけでした。
ここを越えてすぐの所で、踏んだ石が転がり、大転倒して川の中へ…。ナビ全身ずぶぬれ!1回やっちゃえば、もう怖くない!笑
※画像提供:森さん
苔むす岩々に圧倒されます。
上流に行くにしたがって、当然ながら岩が大きくなり、川底も深くなっていきました。
岩を越えられず、山の斜面を登ったのですが、これが、むっちゃキツイ!
頼って握った木や草はぶっちぎれ、斜面に手やお尻をついて進んでいきます。まるで、四つ足動物…。写真を撮る余裕なんて、まったくありませんでした…。
心の声<あんなにあんなに辛かったのに、文章にするとたった数行だなんて、オカシイ…笑>心の声
これは森さんからいただいた画像。森の中の生命力。活き活きとしています。さすが森さん、余裕だなぁ~。
※画像提供:森さん
でも、一歩一歩確実に滝には近づき、見えてきました!歓喜!
#石狩白老滝 pic.twitter.com/5XET2KkqCq
— しらおいナビ (@shiraoinavi) July 25, 2020
ものすごい水量!
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ものすごい風圧!かるく寒い!笑
森さんからいただいた水の躍動感を感じる一枚もどうぞ!
どっぷり感動していると、森さんが笑顔で『この滝は上が本命だよ!これから登るんだよ~。行かなきゃ、ダメダメ』と涼しげにサラリ。
そして、歩き出しましたが、ナビ、右膝にかなりの痛みを感じ、これ以上になると帰れなくなる…。と判断。スマホを息子ダイソンに託して、みんなを待つことにしました。
ダイソンの話によると、今まで目にしたこともない圧倒的な秘境だったとの事です。
※画像提供:森さん
もちろん、道なき斜面を登り…。
先程、見上げていた滝が目線の先にあります!
※画像提供:森さん
もう少し先に行くと、この碧い池に出ました。こんな所に池?
森さんが以前ドローンで撮影したこの画像、ものすごい神秘!
実は、池かと思っていたのは、なんと1段目の滝の滝つぼだそうです。この画像の左上あたりから、1段目の幻の滝が現れるんですって。雪解けや大雨の後にだけ観ることができるそうです。
この幻の滝が現れると、1段目と2段目の滝を合わせると落差70メートルを超えるそう。
そして、この滝は上部の川から流れ出るものではなく、地中から湧き出た伏流水が滝となっている『潜流瀑(せんりゅうばく)』という滝なのだそうです。所々、岩壁の亀裂から水が湧きだしているの、わかりますか?
碧い池にはこんなに大きな洞窟が口を開けていました。
※画像提供:森さん
洞窟の中から撮影したもの。そのスケールが伝わりますね!
※画像提供:森さん
そして、先程の滝を見下ろして、ランチ!これぞ大大大秘境!いやっほぅ~!
見下ろした石狩白老滝も、森さんの画像になればさらに美しい!
みんな無事に戻ってきて合流。さぁ、川を降りていきますよ。
……。
……。
しかし、もう、無言。ただ、一歩一歩ゴールに近づいていることを信じて、ひたすら歩きます。
帰りの山の斜面は、捕まる所が無くて、足が付かない。どうやって降りたらいいのかわからない。もう恐怖でした。
この時に浮かんできた人たちの顔…。絶対に大切にしよう、と思えました。深い森の中でナビが考えたこと。
草をかき分け、一歩一歩足をすすめるだけで精一杯だった時にふと顔を上げたら!このお花たちに出会いました。天国に着いてしまったのかと思った。マジで。
ちょっと休憩。というか歩みの遅いナビを待っててくれてます。みんなはナビよりも歩いているし、重い荷物も持っているので、本当に疲れたと思います。
森の中では、鹿の角を3本ゲットしました。佐賀県出身の地域おこし協力隊のかずきは、すかさず『お父さんに送ろう!』と言って、この荒行の中、重い鹿の角を大切に背負っていました。
お父さーん、息子は頑張ったよ!
そして、今回の遡行でもダイソンが荷物を持ち、手を貸してくれました。絶大なるサポートをありがとう。感謝
まさしく大秘境だった『石狩白老滝』
↑ 2分弱でわかる石狩白老滝。動画にしちゃえばたったの2分…(涙)。真ん中の▶をタップして、ぜひご覧ください。
感動と辛かったのが同じくらい思い出される今回の『石狩白老滝』
この動画見てると、あの濃い一日がよみがえってきて、震える…。そして、ナビの目からも伏流水がにじんでくる…。
これは、森さんのサポートがあってなし得たことで、誰でも簡単に行けますよ!とは絶対に言えません。
そして、滑落や落石の危険が伴いますので、体力と装備、サポートを完備して出かけましょうね。
しっかし、やっぱ白老すごいわぁ。←あまりの濃さに語彙力低下…^^;